氷責め
冬のある日、仙右衛門と甚三郎は朝から呼び出されました。彼らはどんなに説教されても信仰を捨てません。それで氷責めにかけられました。その時津和野では、雪がひと月以上降り続き、60センチ以上も積もっていました。池にも厚い氷が張っていました。その池の縁に4斗おけ二つ並べ、柄長のひしゃくで2人の裁判の役人や警護の役人5、6人が彼らを引き出し「外国の宗教を信じる者は日本でできたものは身に着けてはならぬ」といって、ちょんまげの頭に巻いてある紙のこよりも切りのけ、着物もふんどしも取りのけ、真っ裸にして氷の張った池の上にふたりを突き落としました。